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(5) CALSの名称の変遷

CALSは固定した意味を持つものではない。CALSはその目的や推進主体の変化とともに、名称や適用範囲が目的に応じて変化し、拡大してきている。

 

?@ Computer Aided Logistic Support

1985年に国防総省内で開始されたCALSは、部品・資材の後方補給などによるロジスティックをコンピュータによって管理するものであったため、Computer Aided Logistic Support(コンピュータ支援によるロジスティックスサポート)と称された。

?A Computer-aided Acquisition and Logistic Support

1988年頃になると、CALSは後方支援のみではなく調達(Acquisition)業務にも本格的な検討が進められるようになった。調達の文字を含む、Computer-aided Acquisition and Logistic Support(調達及びロジスティックのコンピュータ支援)と称されるようになった。

?B Continuous Acquisition and Life-cycle Support

CALSは国防総省のみならず、産業界においても導入されるようになり、より産業界に馴染みやすいようにライフサイクルという言葉にロジスティックスを置き換えた。さらに、設計・製造を含んだ製品のライフサイクル全体をサポートする意味を持つようになったため、1993年には、Continuous Acquisition and Life-cycle Support(継続的な調達と製品ライフサイクルの支援)と称されるようになった。

?C Commerce At Light Speed

さらに、エレクトロニック・コマースのコンセプトの出現により、CALSは電子商取引や電子決裁などの概念も視野に入れる必要がでてきた。それに伴い、複数の企業が特定の機能のみを受け持つことによって事業を行う仮想企業(Virtual Enterprise)などの実現も可能となり、より新しい企業活動をサポートするようになった。それに伴い、CALSは1994年以降はCommerce At Light Speed(光速電子商取引)とも称されるようになった。

 

 

 

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